2007/09/15 (Sat) 12:00
九州〜関西JR未乗区間旅行・4日目

 乗りつぶし最終日。チェックアウトしたのは5時。
 この日の初っぱなは吉備線。吉備線は岡山と総社をバイパスするローカル線。将来はLRT化が構想されているらしい。その場合は経営もJR西日本から切り離すそうだ。
 総社では井原鉄道のディーゼルカーを見る。【サンライズ出雲】が通り過ぎていった。
 総社から新見までは伯備線。電化されていて特急も通り、あまつさえ複線。山陰山陽の連絡機能をこの線に集中してしまったようだ。そのため芸備線〜木次線の【ちどり】や津山線〜因美線の【砂丘】などの急行が廃止になってしまい、路線そのものの存続すら危ぶまれる超ローカル線になってしまったのだが……。
 備中高梁でごっそり降りて、811終点の新見着。ここで1時間40分くらい待つことに。何とも中途半端な時間である。近所に美術館があるそうだが、朝8時ではどうしようもない。仕方なく暇つぶしに入った駅前の茶店には、FreeSpotの無線LANが入っていた。これはラッキー。
 十分時間を潰してから、957発姫新線津山行きに乗る。またもキハ120系である。「JR西日本のローカル線=キハ120の単行」という公式が出来そうだ。
 中国勝山に停まったが、なかなか発車しない。対向列車を待っているのかと思ったら、そうでもないようだ。
 発車したときには定刻から10分近く遅れていた。津山では3分乗り換えで因美線智頭行きに乗り継がねばならないのだが、間に合うのか。そうしなければ今日中に京都へたどり着けなくなる。
 回復運転の甲斐あって、津山到着時には2分程度の遅れまでになっていた。
ホーム向かいの智頭行きに飛び乗るとすぐ発車。
 智頭着。おなじみのキハ120ではなく、智頭急行のHOT3500系2両編成である。JR線内なのによその会社の車輌を使うのかと訝るも、東京でも有楽町線内で完結する新木場〜和光市間に西武の車輌を使っていたりする。
 鳥取から山陰本線。豊岡行きに乗る。カニで有名な香住を過ぎると、すぐに餘部。
 餘部駅は有名な余部鉄橋の最寄り駅(漢字が違っているのは表記通り)。鉄橋を通ってトンネルを抜けると、次の鎧駅。時刻表を観ると、鎧駅には上り下りとも1532と同時刻に列車が出発することになっている。とするとこの駅で交換するはずだが、目の前の駅には下り列車が来ていない。降りてしばらくすると、案の定3分遅れて下りの鳥取行きがやってきた。再び余部鉄橋を渡る。
 さっき通り過ぎた餘部で下車。餘部は無人駅で改札もなく、ホームの端から獣道のような遊歩道が展望ポイントと眼下の集落へ通じている。駅から集落まではこの遊歩道しか通じてないようだ。鉄橋観光専用駅の様相。
 展望ポイントで写真を撮ったりした後、次の豊岡行きに乗り、城崎温泉で降りる。
 ここからは電化区間。2両編成の電車は、片端が中間車輌を間に合わせに改造したもので、車端についている雨樋までそのまんま。
 暗くなってきた。福知山、園部と乗り継いで、2116京都到着。乗りつぶし旅行はここまで。
 切符の終点は「大阪市内」になっているが、茨木で途中下車。手前で降りておけば回収されずに手元に置いておける。人によっては記念にとっておけるのだが、杓子定規な駅員さんもいるので、安全策をとった。
一旦改札を出て、ICOCAと共通運用のSuicaで自動改札を通る。
 取った宿は大阪の新今宮。到着が門限ギリギリになってしまって、食事をする余裕もない。駅前のコンビニで買い込んでチェックイン。

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2007/09/14 (Fri) 11:57
九州〜関西JR未乗区間旅行・3日目

3日目。
 布団の中で目が醒めたら、もう9時を回っているではないか。
 ギャース!
 乗車する予定の列車は854だったのだ。
 あわてて宿を出たところで、次の列車は1時間後。追いつける術もない。乗換駅の出雲市まで先着する特急などもない。
1時間後やってきた列車は、三江線と同じ1両きりのキハ120。

 気を取り直して音楽でも聴こうとiPodのスイッチを入れるも、1曲目の途中で音が出なくなってしまった。リセットをかけるとディスプレイにSadiPod(泣き顔のアイコン)が表示される。
 このSadiPod、前日もその数日前にも表示されるエラーが発生していた。電池切れになるまで放置してから、宿でVAIOのiTunesに繋いだら元に戻っていたのだが、しかしこうも頻繁に表示されると「ご臨終」を覚悟しなければならない。
 車内で時刻表を読み直して検討する。
 あくまで切符の通りのルートを辿ろうとすると、芸備線の備中神代〜備後落合間が極端に本数が少なく、次は夕方になってしまう。今日中に山陽へ抜けたいならば、塩町〜三次間は諦める(それでも目的地の岡山にはたどり着けず、三原止まりになる。翌日は岡山まで新幹線を奢らねばならない)。いっそのこと、新見か米子で泊まって、残り行程を次の日に回そうか。しかし後ろが詰まってるしなあ……と惑いつつ、宍道から木次線で備後落合までショートカットする行程を思いつく。
 宍道を1416に出る木次線備後落合行きに乗って、旅程をショートカットすれば、残りの行程をその日のうちにたどれて、明日は予定通りの行程をこなせるのである(寝坊しなければ、という条件付きだが)。
 木次線は超ローカル線。95年に山陰を旅行したときに乗車済み。今回は行程に制約が出そうなので外した。怪我の功名、か
 問題はショートカットされてしまう芸備線の備中神代〜備後落合間だが、前述の山陰旅行のとき、この区間は乗っているようだ。
 寝過ごしとiPodトラブルのダブルショックで車窓も上の空。こんなことなら到着が日付が変わる時刻になっても、昨日のうちに出雲市か米子まで行けばよかった。そうすればiPodも旅の間中トラブることはなかったような気もする。何の根拠もないが。
 1122出雲市着。ここでとりあえず時間が余るようだ。しかし出雲も、わたしにとって居心地の良いところではない。なにせここの特産はそばなのだ。
土産物屋に「五穀飯」とかいうのがあって、成分表には「そば」と書いてあるが、5大アレルゲンに義務づけされている特定品目の表示はない。これって問題あるんじゃないの。
ちょっと観光するくらいの時間はありそうだったので、ふと、出雲大社に行ってみようと思った。
バスに乗って20分くらいで出雲大社に到着するも、時刻表を見ると、5分後にやってくる次のバスを逃すと、接続列車に間に合わない。滞在時間は5分……orz。
 出雲市からは予定通り【やくも】に乗った。すぐに乗換駅の宍道。2駅飛ばすのみ。せっかく特急券買っちゃったんだもの……とほほ。
 宍道駅のホームにはすでに木次線のディーゼルカーが止まっていた。おなじみキハ120系。ここの車輌はロングシートだが、トイレは設置済み。
1416発。中心地の木次辺りまではそれなりに客も乗っていたが、出雲横田でがくっと減る。
 出雲坂根から3段スイッチバック。
 車窓から雄大なループ橋が見える。平行する国道で、超ローカル線の木次線にとっては客が奪われる脅威のはずが「おろちループ」と称して車窓の売りにしている。
 とうとう客はわたしともうひとりだけになってしまった。
 終点の備後落合は、ジャンクションだがいっそ清々しいほど何もない駅である。接続する路線はいずれ劣らぬ超ローカル線。
三次行きのディーゼルカーはおなじみキハ120。木次線で一緒に乗っていたマニア氏とわたしがそのまま移ってきた。客はそのふたりきり。
いつの間にか船をこいでしまい、気がつくと高校生がどっと乗ってくる。駅名表をみると塩町。福塩線と合流する塩町もなんにもない。ここから三次までは一筆書きの区間から外れる重複区間。
 三次着。福塩線経由府中行きもキハ120系。一旦塩町まで戻り、そこから福山方面へ。
「ふくえんせん」と聞いて、そもそもどんな漢字を当てるのか。復縁? 福圓? と迷ってしまう。福山と塩町を結んでいるのでこのような名前なのだが、「府中線」か「福山線」にしてしまえばよかったのに、と部外者は思ってしまう。
 珍名駅の「上下」でごっそり降りて、乗客は5人になってしまった。
 府中着。ここから電化区間。ホームに停まっていた福山行きは、4両編成の103系通勤電車。ここからは駅間距離も近いし、別の線区のようだ。
 東京都の府中市と同名なのは、全国でも珍しい(最近、北海道と福島の「伊達市」が加わった)。だがまず混同することはあるまい。ちなみに東京の方の府中市にある武蔵野線、南武線の駅は「府中本町」。
 この日は仕事関係で連絡しなければいけない用件があった。しかし道中ウィルコムは駅の近く以外は軒並み圏外。この辺から電波状態が良くなったので、職場に電話する。「いま府中にいます」といったら、同僚は広島県にいるとは思いもよらないだろう。
 福山から岡山へ。吉永行きはなつかしの113系、緑にオレンジの湘南カラーであります。
 この日の宿は岡山駅前のネットカフェ。「リラックスルーム」とかで横になることができた。
(この日の初乗車区間 山陰本線江津〜出雲市、芸備線備後落合〜三次、福塩線塩町〜福山)

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2007/09/13 (Thu) 11:51
九州〜関西JR未乗区間旅行・2日目

2日目。
 前の晩はカプセル内で首相辞任のTVニュースを見つつ、食事に行こうかどうか思いあぐねているうちに、眠ってしまい、4時前に目が醒める。
 5時に宿を出て、下関駅へ。今日はまず山陰本線で長門市へ行くのだが、下関〜幡生間は昨日乗ってしまったので、その区間だけ別に切符を買う。
始発の525小串行きで出発。
 この区間は92年、九州行きのついでに青春18きっぷで乗った区間である。
【ムーンライト九州】を下関で降りて山陰本線に乗り換え、長門市で出っ張った仙崎まで往復し、江津まで行って三江線〜芸備線と乗り継ぎ、広島で【なは】のレガートシートに乗ったのだった。
 2両編成で車掌もふたり乗っていたが、乗客は数人。小串にたどり着く頃にはわたしひとりになってしまった。どうやら折り返して下関行きにするための送り込み列車らしい。
 小串。下関からは1時間近くかかったが、平成の大合併で、ここいらへんも下関市になってしまったようだ。
 長門市行きに乗り換え。時折日本海が見える。
 長門市で降り、美祢線に乗り換え。
 キヨスクでは売り子の女性に女子高生が、なにやらクラスの人間関係のトラブルについて相談している。並ぶ新聞はどれも「首相辞任」の大見出し。地元紙の山口新聞を買う。
 山口新聞を読んでいると、不審なことに気がついた。この新聞、社説がないじゃん。それとも今日だけ特別なのか。
行商の荷物が置いてあって、ホームや車内が魚臭い。
 仙崎からやって来た1両きりのディーゼルカーはキハ120系。ローカル線は必ずこの車輌だった。
 トイレにはいって鍵を閉めると、泡がブクブクブク〜と周囲から湧きだしてきてちょっとびっくり。あまつさえ個室内にはボタンを押すと流水の音が流れる「音姫」も装備されている。でも、走行中は要らないと思うんだが。
 長門市でもう一両連結する。
 行商人のお婆さんがその荷物を積み込みはじめた。皆腰が曲がっている。東京じゃ腰の曲がった年寄りなんてそうそう見かけないのになあ。
 美祢線はもともと、石灰岩の産地と臨海部のセメント工場を結ぶ路線である。
県庁所在地を通る山口線が地方交通線なのに、こちらが幹線なのは、当時は貨物輸送の需要が多かったからだが、現在では貨物は廃止されている。宇部セメントは産地から宇部港にいたる長い私道を建設し、そこに公道では規格外になるような大型トラックをバンバン走らせて輸送しているそうだ。
南大嶺駅に近づくと、堤防のような土盛りが寄り添ってきた。かつてあった大嶺までの支線の跡だろう。
 終点は厚狭駅。駅前に「三年寝太郎」の像が建っている。ここから山陽本線。
 新山口で乗り換え、徳山まで山陽本線。
 徳山のキヨスクで「総理大臣HISTORY」という土産菓子が売っているのを見た。包装紙に山口県出身の総理大臣8人のイラストが描いてあって、一番大きいのは、もちろん昨日辞めたあのひとだ。しばらくすると
 そのキヨスクにTVの取材がやってきた。ほかに「晋ちゃんまんじゅう」とかいうのもあるようだ。
 岩徳線ホームはすでに入線済み。一両きりのディーゼルカーだが、美祢線のキハ120より大きく、古い。
岩徳線は名前の通り、岩国と徳山を結ぶローカル線である。山陽本線より山側を通っている。
 山陽本線を短絡する線として開通したという経緯がある。しかし海沿いの旧線の方が勾配がゆるいということで、複線化してふたたび山陽本線とし、この区間はローカル線に格下げされてしまった。現在でも山陽本線の岩国以西は岩徳線経由の経路で計算することになっており、「在来線の線路増設」扱いの新幹線も例外ではない。
 次の櫛ヶ浜までは山陽本線。岩国まで1時間15分。ドラマティックな車窓が見られるわけでもない、淡々とした路線である。
 岩国から再び山陽本線に乗り換え、広島。ここで多少時間があったので、駅構内のマクドナルドで月見バーガーセットを食べ、売店で鯖寿司のパックを買う。
 下手したら今日は、これっきり飯にありつけないかもしれない。三次での乗り換え時間が少ないし、他の駅ではそもそも店があるかどうか。終点の江津につくのは遅い時間なので、店が開いていない可能性がある。田舎の夜の早さは、東京の想像を絶する。コンビニがあるだけ有り難い、ってなもんだ。
 まずは芸備線で三次まで。三次は鵜飼いで有名なのだそうだが、なかなか「みよし」とは読めない。
 腹一杯になって油断したのか、広島から2駅か3駅のところで思いっきり寝てしまい、気がついたら終点の三次。ホームにそれらしき列車が見あたらないから、一瞬、もう出て行ってしまったのかと思った。これはやばい、と焦りかけると、三江線のホームは後方はるか離れたところにあった。
 三江線は名前の通り、三次と島根県の江津を結ぶ路線。水害による一部区間不通から先日復旧したばかり。しかし全線通して4往復しかなく、「いつ廃止になってもおかしくない路線」と呼ばれている。
 ここもキハ120系が1両きり。三次では十数人いた客はひとり減り、ふたり減り。浜原が近くなると、とうとう3人だけに。手前の駅でひとり降りたが、代わりにひとり乗ってきた。
 1824浜原着。この列車はここ止まりで折り返し三次行きになるが、ホームには高校生がかなりいる。
向かいのホームに1901発の江津行きが入線している。浜原止まりの列車から乗ってきた3人が、そのまま江津行きの乗客になった。次の駅でひとりが降り、ふたりだけに。
 駅に止まっても扉を開けるたびに入ってくるのは虫ばかり。石見川本が近づくと、とうとうそのひとりも降り支度をはじめてしまい、どうなるかと思ったが、到着すると入れ替わりに高校生が十数人乗ってきた。ほっとする。
 今回の旅ではよく高校生の集団に遭遇した。通学客は超ローカル線の需要の大半を占めているようだ。
 皆それほど行儀良くもないが、かといって眉をひそめるような傍若無人ぶりでもない。わいわい喋ったりお菓子を食ったり、携帯をいじったり。
 面白いのは、高校生はよそ者のテリトリーを侵さないこと。
 がらがらの車内でボックスシートの向かいに鞄を置いて足を投げ出して、4人座席をひとりで占拠しているところに、高校生の集団が乗りこんでくる。
車内は立ち客が出るほどの盛況になり、こちらは鞄を片づけて隅っこで小さくなり、スペースを空けても、そこに学生は絶対に座ってこないのだ。
 どこでもそうだった。気楽でいい代わりに、女子高生が隣や向かいに座って……なんてシチュエーションも望めないわけだ。
 いろいろ思うことはあるだろうが、こんな超閑散路線は彼ら彼女らがいなくなればひとたまりもないのだ。せいぜい利用して欲しい、とよそ者としては願うしかない。
 石見川本では交換で長時間停車する。駅前のパン屋へ行って、スナックとチョコを買ってきた。車内で何とはなしにチョコの包装を見たら、賞味期限が「2007.06」になっていた……orz。
 しかしその客も、江津駅にたどり着いたときは、わたしだけになってしまった。
 今日は駅の近くにある旅館を予約しておいた。駅周辺にはこの一軒しかないようで、あぶれたりしたら目も当てられない。
電話したとき、名前と連絡先を訊いてから
「何時に入られます?」
「9時過ぎになります」
「ギリギリですなあ」と言われたので、たぶん、食事は出来なかっただろう。
 いわゆる駅前旅館で、駅前に宿はここしかないようだ。ちょっと離れたところには温泉街があるので、この近辺に用のある人間もそちらに泊まるのだろうか。
 風呂に入ってから食事をするために外出。駅前の店はほとんど灯りを落としている。宿屋へ行く道すがらに見つけた焼肉屋に入ったら「店じまいです」。 他に開いている店はないか、と歩いていったら焼鳥屋がある。しかし飲まないわたしにとっては微妙なところ。他にはスナックは何軒か。酒を飲めないとどうしても選択肢が狭まるな。ラーメン屋かファミレスか、みたいになってしまう。
 灯りがついていた一軒の店に入ってみる。おばさんが切り盛りしていた。先客がひとり。
「メニューは?」
「ありませんよー」
「えっと、ご飯ものは?」
「ないです」
 壁のボードに「食べて呑んで¥3000。料理は店任せ」とか書いてある。迷っていると、どでかいお好み焼きを焼いてくれた。酒は飲んでないし¥1000ぐらいかな、と思ったらその通りのお勘定。
(この日の初乗車区間 美祢線長門市〜厚狭 岩徳線櫛ヶ浜〜岩国)

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2007/09/12 (Wed) 11:34
九州〜関西JR未乗区間旅行・1日目

 当日。
 5時前、寝不足のまま家を出る。雨。駅までの道のりを歩いていると、靴下が濡れてしまった。どうも靴に穴が開いているようだ。天気予報によれば、週末にかけての道中の天候は余りよろしくないようだ。浸水を我慢して古い靴で通すか、それとも靴擦れができる危険を冒して新しい靴を求めるか。悩ましい。
 地下鉄を始発で出発。有楽町で山手線に乗り換え浜松町からモノレール。大井競馬場の駅に停まると、朝の散歩に出る競走馬の群れが見える。
 沖止めで乗りこんだ635発スカイマーク001便福岡行きは、滑走路が混んでいるとかでかなり待たされ、離陸したのは7時近く。
 福岡まで秋雨前線に沿って飛行するかたちになるので、なかなかシートベルト着用のサインが消えない。これでは写真も撮れないしiPodで音楽も聴けない。
 窓の外は雲海。乱気流でしばしば大きく揺れる。飛行中はずっとこのままか、とまで覚悟したが、名古屋が近くなってようやくサインが消える。前回乗ったときはサービスだった機内での飲み物は「販売」になっていた。事前に買っておいて正解。
 近畿地方に達すると、ようやく下界が見えるようになった。
 機は定刻より5分遅れて福岡空港着陸。地下には市営地下鉄が直截乗り入れていて、博多まで2駅。しかし到着ロビーから駅までは相当の距離があるのだ。
 入線している姪浜行きに乗る。博多駅や中心街の天神、ヤフードームの最寄り駅である唐人町を過ぎ、地上に出て姪浜。市営地下鉄はここまで。JRの切符を買うために一旦ここで改札を出る。みどりの窓口で、唐津、佐賀経由鳥栖行きの切符を買う……はずだったが、姪浜は地下鉄の駅なのでみどりの窓口はなく、駅併設のJR九州の旅行代理店「ジョイロード」の窓口で売っている。その窓口は10時からの営業だった。しかたなく唐津までの切符を自動販売機で買う。¥850。

 筑肥線は奇妙な姿をしている。路線図で観ると、姪浜〜唐津と山本〜伊万里で分断され、東西の筑肥線は唐津線を挟んで、断層のように食い違っている。時刻表巻頭の路線図では、筑肥線は幹線を表す黒、唐津線は地方交通線の青で描かれているので、一層奇妙だ。
 さて、全線完乗の大先達、宮脇俊三『時刻表2万キロ』河出文庫版P55に、1975年時点の唐津近辺の図が載っている。その図を見ると、博多から伸びている筑肥線は、東唐津駅でスイッチバックして松浦川の東岸を南下、途中鏡、久里という駅を経由して山本駅へ至っている。松浦川の西岸には唐津線が西唐津まで伸び、唐津線と筑肥線は、松浦川を挟んで平行している。
 同書中で宮脇氏はこの線形を利用してある裏技を目論むのだが、それは同書を読んで頂きたい。
時刻表2万キロ (河出文庫 み 4-1)時刻表2万キロ (河出文庫 み 4-1)
(1980/06)
宮脇 俊三

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 そう、筑肥線ははじめからこの姿ではなかった。開業当時は博多駅〜伊万里間をストレートに結ぶ路線だったのだ。
 現在の姿になったのは、電化して地下鉄に乗り入れした1983年のことである。当時の唐津駅は久保田、佐賀に通じる唐津線のみの駅で、市の中心部にありながら博多へ直通の列車がなかった。これでは不便なので、電化する際に新線を敷設して唐津へ直通させ、東唐津駅のスイッチバックを解消すると同時に東唐津〜山本間を廃止して。筑肥線の電車は唐津線の西唐津まで乗り入れることになった。唐津〜西唐津は唐津線唯一の電化区間。
 当初、唐津〜山本は唐津線と線路を共有していた(「二重戸籍」という)。JR発足と同時にこの区間は唐津線のみになり、筑肥線は名実共に分断されてしまったのだ。運行系統で見ると、姪浜(地下鉄)〜西唐津の電車区間と西唐津〜伊万里のディーゼルカー運行区間、というかたちになっている。
 地下鉄に乗り入れるのと同時に、並行する姪浜〜博多間も廃止された。JRしか描いていない路線図で見ると、唐津線から行き止まりのふたつの線が互い違いに伸びているようである。
 この筑肥線に乗ったのは、学生時代の92年。車内で乗客が読んでいたスポーツ新聞で「ダイエー、門田引退」という見出しを見たように記憶している。姪浜→西唐津→伊万里→松浦鉄道というルートを取ったため、唐津線の山本以南は未乗のまま残ってしまった。
 それはさておき、姪浜。切符を買ってホームに戻ったらタッチの差で西唐津行きを逃してしまい、次の電車は途中の筑前前原止まり。終点まで行って快速列車を待っていたら「地下鉄線内でトラブルのため快速は運休」とのアナウンス。各停で唐津まで行く羽目に。
 唐津に近づくにつれて車窓がよくなる。玄界灘が広がり、「虹ノ松原」を通って唐津着。
 唐津では改札を一旦降りて鳥栖行きの切符を別に買う羽目になった。唐津線経由で¥1430。つまりトータルでは¥850+¥1430+¥1760+¥220=¥4260。結局、通しの切符よりも高くなるではないか。策士、策に溺れたか……orz。
 未乗区間は山本〜久保田。といっても、人名のようでどこを通っているのかピンと来ない。淡々と平地を進む路線である。
 久保田で長崎本線と合流。JR九州全線完乗。811系電車に佐賀で乗り換え。鳥栖まで。
 ジャンクションの鳥栖は、まだ佐賀県である。かつて操車場があった駅周辺の土地には、サガン鳥栖の本拠地であるスタジアムが建っている。
改札を出て門司までの切符を求め、スタンドで「焼売(シャオマイ)弁当」を買う。¥700。羽犬塚発門司港行き快速が入ってきた。あとは門司までそのまま乗っていけばいい。
 この区間は日本一の特急街道。熊本方面の【リレーつばめ】【有明】、長崎、佐世保方面からやってくる【かもめ】【みどり】【ハウステンボス】、博多からは大分行き【ソニック】、他にも運行されている。
 博多を過ぎ、香椎、古賀。この辺りは1月も通った区間。筑豊本線が交差する折尾駅は、秋葉原のような垂直交差駅である。さらにちょっと離れた別線にもホームが造られ、複雑怪奇な形に。この駅は未だに駅弁の立ち売りがいることでも有名。「かしわめし」の食べ比べも面白いと思ったが、さすがに買う時間はなかった。
 小倉で6分停車。駅名表を撮りにホームに降りると、キヨスクの朝日新聞に大きな見出しで「辞意」。思わず買って車内で広げてみたら、「安倍首相辞意」だった。車内では号外を手にしている乗客もいる。
 門司で乗り換え、ここでも改札を出て下関までの切符を買う。門司駅の駅名表は、関門海峡をくぐる電車が図案になっているが、このタイプの電車は関門トンネルを運行しないんだがなあ……。
 下関着。みどりの窓口で予約しておいた切符を受け取って精算。ついでに14日に乗る【やくも】の自由席特急券を求める。ここで買えば半額だ。
宇部新川行きの電車は発車寸前。宇部から宇部線に乗り入れる。小野田線が分岐する居能で下車。
 客の大半は下校の高校生である。
関東の人間にとって宇部、小野田といえば「セメント」だろう。その名の通り、セメントの原料である石灰石や宇部炭坑の石炭を運搬するために造られた路線である。
 雀田着。長門本山行きの単行はすでに入線している。車内では5人ほどの乗客がいた。ひとりは女子高生。残りも地元民風で、物好きはわたしだけのようだ。
 2駅めが終点の長門本山。
 小野田線は本線+行き止まりの短い枝線という構成、海沿いの工業地帯を走り、平日朝夕重点のダイヤで運行され、近年まで旧型電車が運用されていたこと、など首都圏の鶴見線と共通点が多い。この長門本山駅は、さしずめ海芝浦か。
 行き止まりの目の前は道路。道路の向かいは原っぱ。その先は海。
 乗ってきた電車で引き返し、雀田で乗り換えて残りの小野田線を完乗。小野田から山陽本線で下関まで戻る。
 そういや下関って、安倍総理の選挙区らしい。しかし、「ポスト安倍の最有力候補は麻生」との観測でアニメ関連株が急騰したというニュースには大笑いしたなあ。
 このまま下関で宿を取る。ネットカフェにしようかと思ったが、夏場は毎日風呂に入って服を着替えないとアトピーが悪化する。結局、駅近くにあるカプセルホテルに宿を取る。¥2500。
 施設はめちゃくちゃ古くて、風呂は家庭用の風呂そのもの。掃除が行き届いていなくて、タイルの目地が真っ黒なのには鳥肌が立つ。カプセル内にコンセントがあったのはよかったが。
(この日の初乗車区間 唐津線山本〜久保田 小野田線小野田〜居能、雀田〜長門本山)

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2007/09/11 (Tue) 01:45
九州〜関西JR未乗区間旅行 ・前説その2

 片道はこれで確定として、さて帰りの便はどうすべえ、とスカイマークのサイトで調べてみたところ、9/17の当該区間で都合のいい便はもう満席になってしまった。三連休の最終日だからしかたがないか。となるとANAかJAL、新幹線ということになるが、いずれにせよ¥20000を超えてしまう。しかし、休みが始まる9/12なら平日なのでまだ空きがある。朝635発の便なら、早めに買えば\11000だ。新幹線で大阪に行くより安い。
 しかし、「まず博多へ直行して、それから東へ」では、1月に実行したルートと大まかでは一緒ではないか。うううむ、と悩むも金には換えられない。
で、635発の便で福岡に直行したと想定して、そっくり逆ルートのスケジュールを組み直してみた。
 この場合も基本的に普通列車で乗り継いでいくとなれば、4日目の2116に京都へ到着する。都合2日分の余裕があるが、東京への帰路を考慮するなら、1日強か。
 一部分ダブって乗車してしまうところ、適当な普通列車がなくて特急を使わざるを得ないところはあるが、下り案よりは未乗区間が夜間にかかる箇所が少ないのはアドバンテージか。下り案では山陰本線出雲市〜江津、美祢線、吉備線などが夜間にかかってしまう。やはり車窓が観られる時間帯に乗らねば意味がない。

 さて、次の問題はこの切符をどうやって購入するか。
「一筆書き切符」といってまず思い浮かべる宮脇俊三『最長片道切符の旅』(新潮文庫)には、宮脇氏が渋谷駅の「みどりの窓口」で最長片道切符を買おうとしたら「指定券と同時発券の場合以外は当駅では東京都区内を起点とする乗車券以外は発行出来ないことになっていますので」と断られたエピソードが載っている。氏は旅行センターで発券してもらったのだが、使う予定のJR西日本の株主優待券には「通用箇所はJR西日本の駅のみで、旅行センターなどでは使えない」とある。
 となると、必然的に下関の駅で作ってもらうしかない。
 最長片道ほど複雑ではないが、それでもその場でマルスを叩いて作ってもらえる切符ではないだろう。東京から問い合わせて、事前に作ってもらうとことはできるのだろうか。というか、株主優待券を使うならそれしかないのだが。支払い方法とか(受け取り払いでいいのか)分からないことだらけ。
 たしか種村直樹の本に、国鉄時代に「最西端から最東端行き」の乗り継ぎ旅行をしたとき、当時最西端だった平戸口駅(現在は松浦鉄道たびら平戸口駅)に現金書留を送って切符を作ってもらったと書いてあったが。
 しかし当時とは事情も変わっているだろう。下関駅に問い合わせてみるのがベターか。

 帰りは結局、16日2240大阪発の【青春メガドリーム号】を予約した。¥3920。九州区間内の切符は現地で購入するとして、さてあとは下関発の一筆書き切符である。
 この時点で、最初の予定とはふたつの変更点がある。
 まず、小野田線を一筆書き区間から外すこと。区間通りに12日の夕方から山陰本線→美祢線と辿ると、乗り継ぎが悪く、未乗区間を乗るのが車窓の見えない夜になってしまう。
 さらに小野田線の枝線、雀田〜長門本山は朝夕しか列車がないので、この区間がネックになってスケジュールが狂うかも知れない。そのため初日は下関止まりにして、小野田線は下関から別料金で往復することにした。
 もうひとつは切符の終点を京都ではなく大阪(市内)にすること。夜行バスが大阪発だし、京都止まりよりも大阪まで出られるほうが何かと便利だろう。

 下関駅のみどりの窓口の番号をネットで調べて、電話してみた。繋がらず、広島の「お客様窓口」に転送された。
「東京のものです。下関発の一筆書き切符を株主優待券を使って発行して頂きたいのですが……」
「それは……地元の方に頼んで窓口にいらして頂けることは出来ませんか?」
「あいにくそちらには知り合いがいませんので。郵便ではダメですか?」
「優待券は有価証券ですし。郵便事故にあったりしたら困るでしょう。書留で送っても届かなければおしまいですし」
「まあ、そうですねえ」
 何とも答えが出しかねる模様。当の下関駅ではないから、らちが開かないのも当然。
「ありがとうございました」
 みどりの窓口にはもう一つ電話番号があるようだ。そちらにかけてみると、今度はダイレクトに下関駅へ通じた。
 同じように事情を話すと、やはり同じような反応。なるべくなら窓口に直接きて欲しいという。
「それにしても、どうしてうち(下関)からなんですか? 京都とか大阪ならいいんじゃないですか」
「いや、まず博多に出て下関から東に向かおうと……」
「じゃあ博多駅から買ったらいかがですか。山陽新幹線はJR西日本ですよ」
「えーと、下関までJR九州を使う予定でして……」
「そうですか。とりあえず詳しい経路をFAXで送ってください。それから検討させて頂きましょう」
「ありがとうございました」
 文字にするとつっけんどんだが、駅員さんの口調はそんな感じではなかった。こちらとしても無理筋のお願いをしているのは重々承知なので……正直、ご迷惑をおかけしました。
翌日FAXすると、すぐにみどりの窓口から電話がかかってきた。代金についても、当日窓口に株主優待券を持参すれば切符と引き替えに精算で構わないという。ひとまず、よかった。有り難うございます。

 とりあえず事前に組んでみた乗り継ぎ予定スケジュールはこんな感じ。

9/12
羽田空港645〜825福岡空港921〜1035唐津1131〜1242佐賀1253〜1316鳥栖1329〜1526門司1541〜1548下関1601〜1653居能1702〜1711雀田1714〜1719長門本山1745〜1750雀田1805〜1820小野田1839〜1918下関(泊)

9/13
下関545〜745長門市811〜923厚狭933〜1006新山口1010〜1052徳山1141〜1302岩国1312〜1359広島1400〜1519三次1656〜1824浜原1901〜2054江津(泊)

9/14
江津854〜1002出雲市1028〜1226新見1237〜1347備後落合1358〜1511三次1618〜1757府中1803〜1848福山1851〜1949岡山(泊)

9/15
534岡山〜610総社709〜811新見957〜1134津山1137〜1243智頭1300〜1346鳥取1414〜1457浜坂1513〜1629豊岡1734〜1846福知山1851〜2005園部2024〜2116京都→大阪(泊)

9/16
昼は関西方面で観光してから2240大阪発【青春メガドリーム号】。

9/17
820東京着(予定)。帰宅して休養。


 原則的にすべて普通列車だが、3日目の出雲市〜新見間は適当な普通列車がないので特急【やくも】を使う。自由席特急券¥1780は別料金だが、優待券と一緒に買えば半額。
 京都到着から夜行バスで直帰もできなくはないが、さすがに疲れるのと、スケジュールに余裕が欲しいので、一泊することにする。
 これはあくまで乗り継ぎ時間を最短で見積もった想定であって、実際にはこの通りのスケジュールでは動かないだろう。例えば2日目、1359に広島駅で山陽本線の電車を降りて1400発の芸備線快速【みよしライナー】に乗車することになっている。乗り継ぎ時間1分は無理があるようだが、実際には2本あとの1500発三次行きに乗っても、1656三次発の三江線列車に間に合うのである。それに三次より広島の方が暇つぶしには好適だろう。

 前日、帰宅したのは22時過ぎ。持ち物の準備をする。
 大きなスポーツバッグに詰めていく。車輪付きのトランクは一見スマートだが、急ぎ足になるとタイヤが地面から離れて横転したりする。
 荷物の中で大きな割合を占めているのはデジタルカメラ、ノートPC、iPodなどの電子機器。着替えよりも重いくらいだ。
 大判時刻表は何かと便利だが、かさばる。携行用の小型時刻表を買うという手もあるが、いずれにせよ北海道や東北の時刻表が載っているのは無駄である。コミケカタログをばらす要領で、経路に当たるページのみを抜き出してホチキス止めした。
 ローカル線でも早川や創元のSFを読むので、その手の本を数冊鞄に入れる。
 結局寝たのは2時を回っていた。

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2007/09/11 (Tue) 00:54
九州〜関西JR未乗区間旅行1日目 ・前説その1

 遅い夏休みがもらえるのを知ったのは、8月に入ってからだった。期間は9/12〜14の3日間。9/15〜9/17は祝日絡みの3連休なので、都合6日間の休みとなる。
 この休みを使って中国地方に残ったJR西日本の未乗区間を一気に乗り潰してしまいたい。同じ方面に2度、3度と行くのは金と時間が勿体ない上、「ああ、またあそこか」とモチベーションも下がる。
 しかしこの時期になると「青春18きっぷ」はすでに通用期間を終了している。あまつさえ、この一帯はトクトクきっぷ不毛地帯。「ぐるり北海道フリーきっぷ」のような区間乗り放題のトクトクきっぷが存しないのだ。「周遊きっぷ」でも、全域をカバーするような区間のものはない。
 はじめは「周遊きっぷ」の岡山エリアを使って岡山県内の未乗区間を廻り、行きか帰りで因美線→山陰本線のルートを使って、東半分の乗りつぶしを考えた。となると山口県と島根県の未乗区間、岩徳線、小野田線、美祢線、山陰本線出雲市〜江津が残ってしまう。遠からずまた、山口まで出向かねばならない。 さらにJR九州に1線区のみ残った未乗区間、唐津線山本〜唐津間も気になる。入れるという手もあるが、いずれにせよ金も日数も余計にかかる。
 いろいろ思案した末、中国地方の未乗区間を一気に乗り潰してしまう片道切符を作ることを思いついた。未乗区間を辿っていくと、一部区間を除いて一筆書きの要領で片道切符を作れるのだ。
 ついでにJR九州の未乗区間、唐津線久保田−山本間をプラスすれば、東京から筑肥線姪浜までの壮大な片道切符になる(筑肥線の電車は福岡市営地下鉄に乗り入れて福岡中心地や福岡空港まで直行するが、JR線としては姪浜まで)。
 時刻表と首っ引きで乗り継ぎルートを調べ、以下のようなルートを算出してみた。駅名は線区が分岐する駅で、実際に列車を乗り継ぐ駅ではない。




東京〔都区内〕→(東海道本線)→京都→(山陰本線)→鳥取→(因美線)→東津山→(姫新線)→新見→(伯備線)→総社→(吉備線)→岡山→(山陽本線)→福山→(福塩線)→塩町→(芸備線)→備中神代→(伯備線)→伯耆大山→(山陰本線)→江津→(三江線)→三次→(芸備線)→広島→(山陽本線)→岩国→(岩徳線)→徳山→(山陽本線)→宇部→(宇部線)→居能→(小野田線)→小野田→(山陽本線)→厚狭→(美祢線)→長門市→(山陰本線)→幡生→(山陽本線)→門司→(鹿児島本線)→鳥栖→(長崎本線)→久保田→(唐津線)→唐津→(筑肥線)→姪浜




 総距離2149.1km(運賃計算キロ)、値段は¥20580である。
 未乗区間のうち芸備線塩町→三次、小野田線雀田→長門本山は一筆書きの経路からはみ出るので、ここは別料金を支払って乗ることになる。
 実行すれば中国、九州地方の未乗区間はきれいに一掃され、未乗区間の残りは4路線、14.7km。もう秒読み状態だ。
 だが、さらにもう一工夫出来ないか。
 ここで考えたのは、JR西日本の区間内を株主優待券を使って割り引いてもらう方法である。一枚で半額になり、ネットオークションなら¥4700前後で売っている。
 この割引が適用されるのは「西日本旅客鉄道株式会社の区間内で完結する切符のみ」。通しの切符は他者の区間を含んでしまうので割引はできない。だから切符をJR東日本〜東海、JR西日本、JR九州の区間に三分割して、西日本の区間のみを対象にするのだ。
 上記のルートから下関−京都間を切り出して計算し直してみると、当該区間は1409.6km、¥15230。この半額だから¥7890だ。特急券も一緒に買えば半額になる。
 京都までは【青春ドリーム京都号】を使えば¥5000。大阪着の【青春メガドリーム号】やツアーバスならもっと安い。
そしてJR九州の区間、下関→姪浜である。この区間を当初の経路通りの距離で計算すると¥4200。
 しかし、である。
 時刻表のピンク色のページを開くと、細々とした切符の規則が載っているが、その中に「大都市近郊区間」というのがある。
 東京、大阪、福岡などに設定されている区間で、この区間内を発着する切符は、実際に乗った区間でなく、路線上の最短区間で計算するのである。逆に言えば、この区間のみを通るルートで改札を出ずに一筆書きの経路で乗り継ぐなら、どんな大回りをしても構わない。いわゆる「¥130旅行」というのはこの規則を逆手に取ったもの。
 このルートなら門司〜鳥栖がこの規則の適用を受ける。調べてみるとこの区間は距離の短い筑豊本線経由で計算されるので¥1760。下関は区間外で、はみ出てしまうと恩恵を受けないので切り離す。下関〜門司は¥220。合計すれば¥4050。
 つまり、下関〜門司、門司〜鳥栖、鳥栖〜姪浜、と切符をその都度買っていけば、下関〜姪浜を通しで買うより¥150安くなるのである。ジュース一本分の得。面倒くさいのはいい、と割り切るか。それともお金が大事と考えるか。わたしは後者を取ることにします。
(つづく)

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