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DATE: CATEGORY:社会
ボーイズラブ小説は不適切?図書館貸し出しで議論白熱
「ボーイズラブ(BL)」と呼ばれる男性同士の恋愛を題材にした小説を図書館に置くべきかどうか。BL小説を20年近く買い続け、計5500冊を所蔵する堺市立図書館が対応に苦慮している。「子どもに悪影響を与える」と廃棄を求める声が相次いだのに対し、「性的指向による差別につながる」と廃棄の差し止めを求める住民監査請求が4日、市に出された。(朝日新聞より)


 実家近所の図書館で、BL小説のたぐいが閉架にされていたことがあったな。撤去された棚には「これらの本を閲覧されたい方は申し込んでください」と注意書きが添えられていた。「図書館にBL小説がいっぱいあるんだけど、ああいうのが子供も手に取れる棚にあるのはどうよ〜」みたいな文句をつけていた同人誌を読んだことがあって、奥付を調べてみたら、その図書館の近所に住んでいた。
 閉架にするのと、処分するのは全然意味合いが違う。前者は「ゾーニング」という点で議論の余地はあるのだが、後者は大げさに言えば「焚書」だ。

 この件ネットでは前から話題になっていたようで、いくつか読んでみが、正直に言えば処分賛成派(反・反焚書派というべきか)にあるバイアスを感じるんですよ。この問題を取り上げているBlogのコメントでは「男同士があれやこれや(引用者註:表現をぼかしました)している」だの表紙の絵をあげつらっていたが、5000冊以上の全部がそうなのかな? と思ってしまう。
 はてなブックマークには「ポルノも5000冊入れなきゃ男性差別だ」とか、揚げ足を取っているコメントがありましたが、徳間書店や講談社などの文庫、ノベルズのラインナップには「官能小説」が少なからずあって、行きつけの図書館では区別されずに収蔵されている(堺市ではそうではないのならすみません)。それに中間小説雑誌では時折「官能小説特集」なんてのをやっているのは言うまでもない。宮脇俊三特集を読みたかった鉄道ファンの中高生が、間違って官能小説特集号を手に取ってしまったらどうするんだ! けしからん! っていちゃもんもつけろよ(笑)。
 どうも、情念の向かっているベクトルが逆なんじゃないのか? 「オレたちが弾圧されている(と認識している)のだから、あいつらも弾圧されるべきだ。弾圧してくれ」というのは倒錯した心情である。「オレたちの興味のない本だからどうでもいい」「反対するヤツらはイデオロギー的に気にくわないので揚げ足を取ってやれ」なんてのは退廃でしかないでしょう。
 自分たちが属さない集団、共感できない側の「表現の自由」は軽視されてもいい、ってのはアニメ版『図書館戦争』最終回でもあったが、やっぱりこの件も「思想、表現の自由」と「快楽原則」が混同されているが故の混乱、なのでしょうか。

 わたしは高校生時代、読書生活の中心は図書館だった。蔵書のある家ではなかったし、小遣いも少なかったので、ハードカバーは図書館で読むしかなかった。SFも、ライトノベルも、アメリカの現代小説をポルノ的な興味で読んだこともあったし、猟奇殺人のドキュメントも、新左翼や右翼のアジ本まで、いろいろな本が図書館にあった。なにを読んでどう感じるかも本人任せ。
 図書館にはいろんな本があるべきだ。賢しらげな「選別」も、ましてや「本を捨てろ」なんて圧力もかけるべきではない。
 有川浩氏はどうお考えだろうか? もしくはこのお方は?

 これは一般論だけど、最近の図書館では「蔵書の廃棄」が安易に行われすぎているきらいがある。ベストセラー小説の複本とか、はなっから「廃棄」を前提にした購入をしてるんじゃないか、と思えてしまう。あくまで一利用者の印象にしか過ぎませんが。

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